『ザ・ノンフィクション花子と先生の18年 人生を変えた犬』の後編 動物を看取るということ

モモ

『ザ・ノンフィクション花子と先生の18年 人生を変えた犬』の後編が昨日放送されました。
太田獣医師の活動、そして愛犬花子の最期の日々を追ったものでしたが、動物の最期を看取るとはどういうものなのか、について改めて考えさせられ、そして学ばさせていただきました。

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動物の最期を看取るということ

私は幼い頃から猫にまみれて暮らしてました。東京で2年間、ニュージーランドでワンホリをしてた1年間を除いて、常に1匹以上の猫たちと暮らしていました。

旦那と結婚してからは、そこに犬も加わり、多いときでは犬一匹に猫3匹という暮らしをしていましたが、全ての子たちの最期を看取り、今は6年前に新しく迎えた犬・ルーシーと暮らしています。

どの子達とのお別れもとても辛く、今でもそれぞれの子達との最期の時のことは鮮明に覚えています。特に、猫のモモとのお別れは突然におとずれ、これは正しいのか?正しくないのか?を長いこと考えていました。

ペットロス 未だに猫モモが帰ってくる気がするで詳しく当時のことを記録していますが、ここで軽くお話すると、ある日モモがよだれを大量に垂らし始めたことに気づき、獣医さんに連れて行ったのです。モモは17歳でした。

獣医さんはモモの口の中を診察してすぐに、「これは見ただけで分かるわ。悪性腫瘍。モモはかなりの痛みを感じているはず。楽にしてあげましょう。」と言われました。

そして、私が躊躇して「一度家につれて帰って夫と相談します。」と言ったら、「明日にはもう一度連れて来てください。このままこの猫を生かし続けることは虐待になりますので、もし猫を受け渡さない場合はSPCAに通報しなければいけません。」と言われたのです。

(SPCAとはSociety for the Prevention of Cruelty to Animalsという動物虐待防止協会で1990年に定められた「アニマル保護条例」を執行できる非営利団体。)

結局、モモは安楽死、という選択、いえ、選択の余地はなかったので、安楽死という最期になってしまったのですが、この後、モモの最期はこれで良かったのだろうか?としばらく考えてしまいました。自分が早期に発見してやれなかったことの後悔とモモに対して申し訳ない、という思いばかりが募りました。

悲しんでいる姿を見せたら 動物が申し訳ないと思う

『ザ・ノンフィクション花子と先生の18年 人生を変えた犬』の後編は、花子の最期に太田先生が向き合う様子を追ったものでしたが、本当に素晴らしいの一言でした。

花子が寝たきりになっていつ命がつきるか分からない状況の中で、太田先生は決して悲しい顔は見せません。

番組の中で看護師の宮本さんが、おっしゃっていたお話が印象的でした。

看護の段階の子とか もうちょっとで亡くなる子の治療をしているときに、先生は笑顔でやってあげて 悲しんでいる姿を見せたら 動物が申し訳ないと思うから いつも通りの風景を見せて安心させてあげて とよく言うんですけど、正直難しいところもあると思っていた でも、先生は花子のときに花子が亡くなるまで先生は悲しい顔を見せなかった だから花子はすごい穏やかな時間を過ごした。
引用:『ザ・ノンフィクション花子と先生の18年 人生を変えた犬』

本当に、先生はいつも笑顔でした。
たぶん、花子の見えないところでは泣いていたかもしれません。でも、先生はカメラが回っていなくても花子の前ではずっと笑顔だったと思います。

これって、看護師さんもおっしゃていましたが、難しいことです。
でも、犬のことを一番に考えたら、出来ることなのかもしれない。先生が、いかに自分の気持ちを優先せず犬の気持ちを一番に考えていたのか、が分かります。

動物は飼い主と一緒に幸せになりたい

そして、番組内では、おなかに大きな腫瘍がある17歳のダックスフンドの飼い主さんに向けた先生の言葉が印象的でした。

腫瘍がいつ破裂するか分からず、危険な状態。手術をするべきなのか、このままの状態で全うさせるべきなのか、悩む飼い主さんに太田先生は言います。

動物は 寿命を長くして欲しいと思ってはいない
お母さんと一緒に幸せになりたいと思っているから、今のままでも幸せだし
寿命の長さによって 幸せの度合いは変わらない
引用:『ザ・ノンフィクション花子と先生の18年 人生を変えた犬』太田快作獣医師

これを聞いて、私は号泣。そして長い間モモの最期で後悔してきた思いだとかそういったもの全てが、先生のこの一言で流れ落ちた感じがしました。
モモが予期せず生涯を閉じることになったことも、モモにとっては私たちと過ごした17年というその日々が幸せであったかどうかが大事だったんだ。と気づかされました。

先生の言葉で救われ、そして、ふと、思ったのです。動物のことを第一に考えていたらもっと前に出ていた答えだったのではないか、と。

これからは、犬の飼い主として、自分の気持ちや愛情をルーシーにただ押し付けるのではなく、ルーシーにとって何が一番いいことなのか、最善なのか、を考えてルーシーとの日々をハッピーに過ごしていきたいと思います。

『ザ・ノンフィクション花子と先生の18年 人生を変えた犬』は、本当に素晴らしいドキュメンタリーでした。厳しい現実を目の当たりにして、思わず涙してしまいましたが、太田先生の活動を知り、希望が見えました。

多くの人(特に獣医師)が観てくれて、殺処分が減り、太田先生が少しでもゆっくり出来る日々がいつかくればいいなぁ、と思ってしまいました。

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