『ザ・ノンフィクション』太田快作獣医師の活動!花子から学ぶ、動物を飼うということ

2020年5月16日

ザ・ノンフィクション

東京都杉並でハナ動物病院の院長を務める太田快作獣医師さんは、私の姉の飼っている猫アメショのキラちゃんとソラ君の獣医さんでもあります。

私が姉に付き添ってキラちゃんの虚勢手術に連れて行った際に少しお話したことがあるだけですが、キラちゃんを人間の子供に話しかけるようにボソボソとお話になってたのが印象的です。

そんな太田獣医師のドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~前編」(フジテレビ系)が先週の日曜日に放送され、後編は5月17日(日)14:00から放送されます。

前編の内容は、太田先生の愛犬・花子(18歳)の紹介、そして先生がされている野良猫や捨て犬など飼い主のいない動物の治療を行う動物保護活動にフォーカスしたものでした。前編を見逃された方のためにあらすじをご紹介します。

写真出典:(c)フジテレビ

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『ザ・ノンフィクション』「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~前編」の内容

太田先生の愛犬・花子(18歳)は、先生が北里大学獣医畜産学部獣医学科在学中に青森の保健所から引き取った犬。

当時、獣医学部では、授業で生きた犬・猫を使って「外科実習」という動物実験が行われていた。(2018年以降、北里大学では生体外科実習は行われていません。)

大学や教授の考え方としては、「多くの動物の命を救うためには1匹の命を犠牲にするのは正しいこと」とされていたそうですが、太田さんは納得がいかなかったそうです。

「なぜなんだ。僕は1匹も含めた全部の命を救えると信じている」

この想いから、当時既に欧米の獣医学科で行われていた「動物実験代替法」で単位を取得したい旨を大学側に交渉し、近所の獣医たちの協力を得ながら避妊手術などをして単位を取得したそうです。

また、大学内には生体実験に使われる数多くの犬たちがいましたが、いづれ死ぬ犬、という観点からなのでしょうか、飼われている環境は良くなく、散歩にも連れて行ってもらえてない状況。

そこで、太田さんは、同士を集めて「犬部」を発足。犬たちの世話はもちろん、保護犬の里親探しもするようになり、その活動は注目を浴びメディアに取り上げられ、後に本や漫画にもなっています。

2006年に北里大学獣医畜産学部獣医学科を卒業し、2011年12月に開業されたのですが、番組内で「花子の世話が十分に出来るように、最期をきちんと看取れるように開業しました。」と言っていて、太田先生にとって花子がいかにかけがえのない存在なのかを感じました。

休日返上で動物保護救済活動

太田先生は、ハナ動物病院の院長として診療後そして休日は、動物保護救済活動を積極的に行っていらっしゃいます。

通常の診療をこなしながら多くのボランティアが持ち込む怪我や病気の野良猫の手術や治療を行う。

『ザ・ノンフィクション』前編では、外国人が片足がない野良猫を持ち込んできたが、手術が必要。太田医師は、手術費は、請求しない、と言う。理由は、「外国人が日本の野良猫をこうやって助けてくれている。お金をもらえるわけがない。」

そして、ある休日は千葉県のボランティア団体が主催した野良猫去勢手術に協力。通常1万~2万する猫の虚勢手術だが、費用は無料もしくは実費(メス:2,000円、オス:3,000円)のみ。
そんな中、格安で虚勢手術を行っていると知ったある猫の飼い主が、保護猫でもないのに猫を手術のために預けに来た。

太田先生のところに持ち込まれる多くの保護猫たちはすでに妊娠していることが多く、この日も1匹の猫が出産を始めたために、その対応に追われ、予定は大幅に遅れていた。

予定の時間に猫を引き取りに来たその飼い主は、時間通りに手術が終わってないことに文句を言う。

その飼い主の顔はぼかしがかかっていましたが、文句を言い、保護猫でもないのに猫の手術をしてもらっていることに罪悪感すらなさそうです。そういう人のことを「恥知らず」と言うのでしょう。

ここで、あの温和な太田先生が激高!!これには少々ビックリしましたが、

「ボランティアでやってくれているのにあの態度はない!店(病院)だったら、僕は何言われても謝るよ。でも、みんなボランティアでやっているんだ!」

常日頃からボランティアの人たちがどれだけ時間とお金を犠牲にして保護活動をしているかを身近にいる先生は知ってるからこそ、許せなかったんでしょうね。

さらに、別の飼い主は、言葉こそ丁寧だが、すでに7匹飼っているということを理由に今回預けた猫の飼育を放棄する。

その猫がめちゃくちゃ可愛くて泣きそうになりました。

もし、その飼い主にとってもう飼えない状況であるのなら、なぜ自分でその努力をしないのか?!
自分で責任を持って次の飼い主を見つけるまでが、一度動物を飼った人間の責任ではないのか?!

そう思わずにはいられませんでした。

気が滅入るような現実ですが、一方で太田先生や多くのボランティアの方たちのおかげで幸せになっていく動物たちもいます。

ハナ動物病院で里親会・譲渡会

ハナ動物病院では保護犬・保護猫の譲渡会を定期的に行っています。(現在はコロナの影響でお休みです。最新情報は、ハナ動物病院のインスタグラムをご覧下さい。)

そこを訪れたある一家は「飼うなら保護犬がよかった」と話し、野良犬だったニコを引き取るべくトライアルを開始。まずは、太田医師と看護師の宮本さんが自宅に行き、犬がどういう反応をするか観察し、その日はそのまま犬と一緒に帰ってくる。

段階的に犬と家族との相性を先生たちは見ているのでしょう。

初めて来た場所にニコは少しおびえ椅子の下に隠れてしまったが、譲渡会でその家族と会ったことを覚えているらしく徐々にリラックスしてくる。

そして、それから1年後。満面の笑顔を浮かべる家族の中心に幸せそうなニコがいる写真が紹介されていた。

この写真が本当にいい写真で、またもや泣いてしまいました。こういうひと時が、太田先生にとって至福のときなのではないでしょうか。

多頭飼育崩壊現場

ある日は、埼玉県の多頭飼育崩壊現場から保護された70匹の犬たちをボランティアの人が太田先生のところに持ってくる。もう日が暮れているが、そこから太田獣医師は、6匹の虚勢手術を行った。多頭飼育崩壊について、意見を求められた太田獣医師が一言。

「多頭飼育崩壊は、行政と獣医師の責任」

つまり、一般の飼い主は動物のプロではないから、ということです。

確かに今回取り上げられた多頭飼育崩壊を起こした飼い主は高齢で「1匹拾ったら増えてしまった・・・」と、特に悪気も無く言っていました。

行政が、一般飼い主の指導に積極的でないという現実。今回の場合も「指導」は行われたようだが、その後のフォローアップはない。

太田先生は「埼玉県の獣医たちが1人1匹やったら70匹の虚勢手術は一日で終わったんだ。」「僕たち獣医師は動物でご飯を食べさせてもらっているのだから、当たり前のことだ。」と番組内でおっしゃってました。

日本から動物の殺処分を無くすためには

今回、太田先生が休日返上で犬や猫たちの虚勢手術をしている様子を見て、太田さんのお体が心配になってしまいました。

犬猫を愛する私たちもなんとかしなければいけない。そのためには、行政を変えていくことではないでしょうか?

一般の飼い主への指導、そして法的執行権を持てる欧米のSPCAのような団体が必要だと思います。動物の虐待を取り締まるのは当たり前ですが、多頭飼育崩壊現場も多くの犬たちはろくに散歩にも連れて行ってもらえてないために社交性がない犬が多く、また栄養が行き届いていない場合も多いです。

そして、繁殖を繰り返すために、雌犬や雌猫の身体はボロボロになっている状態。これは、虐待以外の何ものでもありません。

今回のこの番組を通して、日本で太田獣医師の活動に賛同して協力してくれる人が増えることを祈ります。

太田先生と花子から学ぶー『ザ・ノンフィクション』「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~後編」

 

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5月17日(日)14:00から放送される『ザ・ノンフィクション』「花子と先生の18年 ~人生を変えた犬~後編」(フジテレビ系)では、太田先生の愛犬・花子の最期・太田先生の献身的な日々に密着した内容。

大田先生と動物保護活動の番組で共演されたこともある石田ゆり子さんのナレーションです。

花子の最期を通して、私たちは犬を飼うということはどういうことなのか?最期まで責任を持って飼うということはどういうことなのか?を学びたいと思います。下記は、太田先生の言葉です。

自分の考える本当の動物医療とは、病気を治したり寿命を延ばしたりということだけに主眼を置くのではなく、どうすれば動物と飼い主さんの双方が笑顔でいられて、一緒にいられてよかったと心から思えるかだと思います。その子がおうちに来て、楽しい時間を過ごし、そして最期を迎えた時、飼い主さんに「本当に最期の最期まで楽しかった。幸せだった。また、動物と一緒に暮らしたい。」と思ってもらえるようお手伝いをすることが、本当の動物医療だと思っています。引用:ハナ動物病院 太田快作

太田快作獣医師 関連書物

ちなみに、太田先生たちの大学時代の活動がモデルになった漫画「北里大学獣医学部 犬部!」はこちらです。

下記の書物は、太田先生が登場します。

ハナ動物病院の詳細

太田快作先生が院長を務められている病院です。予約はインターネットで出来ます。こちらからどうぞ。

急ぎでないお問い合わせは電話ではなくメールでしましょう。

施設名 ハナ動物病院
所在地 〒166-0011 東京都杉並区梅里2-28-4 梅里MSビル1階
電話 03-5913-8241
メール hana-ah@tbz.t-com.ne.jp
交通案内
  • 東京メトロ丸ノ内線「新高円寺」駅より徒歩8分。
  • 関東バス「松の木バス停」より徒歩2分。

ちなみに、ハナ動物病院のロゴは、自分の猫が先生にお世話になっていたというご縁から羽海野チカさんという漫画家によって描かれたものです。

ハナ動物病院

画像出典:ハナ動物病院

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