日焼け止めの紫外線吸収剤で真っ赤に腫れ上がる肌!その日焼け止め安全?

2020年2月18日

ニュージーランドの夏

こんにちは。ニュージーランド在住のKikispetsです。

「ニュージーランドに住んでいる」と言うと、よく言われるのが「紫外線強いでしょ~」です。

まさしくその通りで、アメリカ癌リサーチ研究所が2018年に発表した皮膚癌の国別ランキングでは、ニュージーランドの皮膚がん患者は、オーストラリアに次いでナンバー2です。

そこで、紫外線から皮膚を守るべく私たちは日焼け止めを塗りたくるわけですが、その日焼け止めの成分が実はあなたの健康を脅かしているかも?ということをご存知でしょうか?

今回は、私がこの夏、普通にスーパーなどで売っている日焼け止めを塗った結果、皮膚が真っ赤に腫れ上がり2週間も苦しんだ経験から市販の日焼け止めの成分について徹底的に調べました。

ニュージーランドの日焼け止めだけでなく、日本の市販の日焼け止めにもこの成分はたくさん使われている!という事実。

さて、一体どの成分に注意すべきなのか?そして、その成分がなぜ危険なのか?どの日焼け止めが安全なのか?についてもここでお話したいと思います。

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私が使った日焼け止めと使用後の症状

日焼け止め

私は基本インドア派なので、ニュージーランドに住んでいるにも関わらず、ファンデーション以外で特に日焼け対策をしたことはありませんでした。しかし、この夏、所属している犬のウォーキンググループに積極的に参加するぞ!と思いたち、まずは日焼け止めを購入することにしました。

通常、私はノンケミカル派で、使っている化粧用品もヘアケア用品も全てノンケミカルです。洗剤も肌に環境に優しいもの。食べ物もなるべく添加物を避けて生活しています。

しかし、ある日、翌日にビーチへ旅行を控えていたのに日焼け止めがない!という事実に気づき、夜遅く開いているスーパーでNZやAUSでよく知られている日焼け止めを手にし、取り合えずパッケージを確認したところ、「パラペン不使用」「ナチュラル」「皮膚科学的にチェック済み」などという売り文句を真に受けNZ Cancer Society Everyday SPF50+ を購入したというわけです。

紫外線を受けて皮膚癌にだけはなりたくない、という思いから・・・

使用後の症状

私は基本、ビーチでばっちりと日焼けをしたいタイプではありませんので、ビーチでも日陰でほとんど過ごしました。症状が出るまでにその日焼け止めを使用した回数はたったの5回で1ヶ月間ほど使用しました。

基本、外出する前に足・首・肩・デコルテ・腕・顔に一度塗ったら帰宅するまで塗りなおすことはありません。

忘れもしない2月2日日曜日。前日に日焼け止めを塗り真夏日に外出してました。そして、2日の夜、肩周りにボツボツを発見。(注意:この下の写真は見るに耐えないかも知れません。)

その後、湿疹は広がります。

日焼け止めアレルギー反応

火曜日には湿疹が胸元・足・首・肩・腕に一気に広がり腫れ上がり痒みもひどくなりました。すぐファミリードクターに連絡したのですが、休日ということもあり、予約が取れたのは金曜日。

医者は、食物アレルギーも疑いつつ、日焼け止めを塗っていない服を着ていた部分に発疹が認められないため、日焼け止めが原因、という私の意見に同意したようでした。

処方された薬

処方された薬は

  • Hydrocortisdone 1% 10mg (ヒドロコルチゾン/ステロイドクリーム)
  • Loratadine 10mg/tab(抗ヒスタミン剤)
  • Cetomacrogol with Glycerol(セトマクロゴール1000とグリセリン)
  • Calamine Cream(カラミンクリーム)

ですが、Cetomacrogol with Glycerolは薬ではなく保湿クリームということで処方されたのですが成分がよく分からないので調べてみました。

成分:Water, Cetomacrogol 1000 90%, Glycerin 10%, Liquid Paraffin, White Soft Paraffin, Cetostearyl Alcohol, Propylene glycol, Phenoxyethanol

どうやらCetomacrogol (セトマクロゴール)は乳化補助剤的な役割をするらしく保湿作用があるそうです。

Liquid Paraffi(流動パラフィン)乳化剤(油と水を混ぜる)です。

Propylene glycolはよくPGと表示されていてプロピレングリコールと言われており保湿作用製品安定化剤として使われいるようです。

Phenoxyethanol(フェノキシエタノール)はよく成分表の最後に記載されていることが多く、防腐剤の役割をします。

どちらにしても全て化学成分です。しかし、この痒みと痛さから解放されるべく、処方されたものでCalamine Cream(カラミンクリームは酸化亜鉛と 酸化鉄が調合されたもの)以外は全て使用することにしました。(カラミンクリームは以前使ったことがありますが、私には少しヒリヒリして合いませんでした。)

ケミカルのオンパレードですが、ステロイドは使いようだと思ってます。QOL(生活の質)が低下している場合はケミカルもあり、そして短期使用というのが私の考えです。医者から言われた通り、1週間だけステロイドクリームは寝る前にだけ(痒みで起きてしまうため)使用しました。

紫外線吸収剤による湿疹が治まるまで

現在、湿疹が起きてから18日が経過していますが、当初に湿疹が出た首や肩、足は痒みが治まり湿疹の後が残っている状態です。そして、痒みが治まった10日後に長袖を着て帽子を被って全てをカバーして外出したつもりだったのですが、ちゃんとカバーできてなかった胸元のエリアに湿疹が出てきてしまいました。

日光がその部分に当たったことで、日焼け止めを塗ったのは2週間ほど前であるにも関わらず化学反応が起き湿疹が起きました。このことで、この紫外線吸収剤が少なくとも数週間は皮膚層下に残っているのだ、ということが分かりました。

(アメリカの食品医薬品局によると、日焼け止めは皮膚だけでなく血液中にも流れ込んでいることが報告されています。参照:WIRED

胸元の湿疹は、だいぶ治まってきましたがまだところどころとても痒いです。完治した時にまたこちらで追記させて頂きます。

追記:2020年2月20日 昨晩は一度も痒みで起きることがなく朝まで眠ることができました。18日ぶりです。ポツポツと何ヶ所かまだ痒いところはありますが、夜中に起きるほどではなかったです。しかし、日光に当たることでまだ体内に残っているものが反応するかもしれませんので、今年の夏は日光を避けて生活しようと思います。

本当に怖いです。日焼け止めの紫外線吸収剤でこんな目にあうとは・・・

ここからは、紫外線と紫外線吸収剤について、そしてなぜ紫外線吸収剤は身体によくないのか?では、紫外線吸収剤を使っていないものは安全化?についてのお話です。

紫外線の種類(UVAとUVB)

ここで、まず、なぜ日焼け止めが必要なのか?なぜ紫外線が肌に良くないのか?を簡単に説明します。

紫外線は波長の長さによって分けられ、地表に届くものでは紫外線A(UVA)紫外線B(UVB)があり、その9割が紫外線A(UVA)です。

紫外線A(UVA)は、波長が長いため曇りの日や屋内でもガラスを透過して肌にも到達するために「生活紫外線」と言われ、ゆっくりと肌を黒くしシワやたるみの原因になると言われています。

紫外線B(UVB)は、波長が短く皮膚の表面にダメージを与えます。たくさんUVBを浴びると肌を赤く炎症させるいわゆる「日焼け」の状態を起こし、メラニン色素が沈着してシミやそばかすの原因になります。

日焼け止めの「PA」「SPF」とは

紫外線を避けるためには、UVブロックの洋服や帽子を着用することも出来ますが、ニュージーランドは、クーラーが日本ほど普及していないためとても暑く、やはり日焼け止めが必須となってきます。

日焼け止めのパッケージに記載されている「PA」や「SPF」を目にされたことがあるかと思いますが、その説明をここではとっても簡単にしたいと思います。

PAとは

日焼け止めの表示

PAとは「Protection Grade of UVA」の略で、生活紫外線と言われる紫外線A(UVA)を防ぐ効果を表す目安です。「PA+」「PA++」「PA+++」「PA++++」の4段階に分けられ「+」の数が多いほどUVAを防ぐ効果が高くなります。

SPFとは

SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、肌を赤く炎症させる日焼けの状態を起こす紫外線B(UVB)を防ぐ効果を表し、SPF20やSPF50などと記載されています。この20や50という数値は時間ではなく紫外線の量を表します。

例えば、SPF20「日焼け止めを塗っていないときに比べて、UVBが肌に届く量を20分の1に抑える」という意味になります。こう考えると数値が大きいほど最大の効果を期待出来そうですが、SPF50+は98%のUVBを抑えますが、SPF30は96.7%と言われておりさほど変わらないそうです。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤とは 日焼け止めの成分

日焼け止め成分

UVAとUVB、そしてPAとSPFが理解できたところで、次に注目して頂きたいのが成分です。

ちなみに、私が購入した日焼け止めの主な成分は:

  • Octocrylene(オクトクリレン) 80mg
  • Homosolate(ホモサレート) 60mg
  • Methoxydibenzoylmethane (メソキシディベンゾイルメタン)30mg
  • Phenoxyethanol(フェノキシエタノール)

です。それぞれの役割は、

  • Octocrylene(オクトクリレン)は、UVAとUVBの両方を吸収する紫外線吸収剤
  • Homosolate(ホモサレート)は、UVBを吸収する紫外線吸収剤
  • Methoxydibenzoylmethane (メソキシディベンゾイルメタン)は、UVAを吸収する紫外線吸収剤
  • Phenoxyethanol(フェノキシエタノール)は、防腐剤

さて、このやたらと使われている紫外線吸収剤ですが、ひと昔前の日焼け止めには、紫外線散乱剤と言われる酸化亜鉛や二酸化チタンが配合されていました。しかし、どうしても塗った肌が真っ白になって使用感が重いため、昨今では塗っても白くならずに使用感が軽い紫外線吸収剤が入っているものが多くなってきたというわけです。

この紫外線吸収剤ですが、仕組みとしては、ただ肌に塗っただけでは特に何も起こりませんが、紫外線を吸収してはじめて熱などのエネルギーに変換され、紫外線が皮膚に浸透するのを防ぐ、というものです。

つまり、この熱というエネルギーにして強い物質に変化することで、肌に負担を起こしているようなのです。

日焼け止め使用上の注意

どうりで、私の場合、塗ってすぐに症状が出ず、真夏日に太陽の光を存分に浴びたことで化学反応がおこり湿疹を起こしたというわけです。

よく、日光アレルギーと間違われ、私も「日焼け止めが原因ではなくて日光アレルギーでは?」と友達から言われましたが、塗って日光に当たったところだけに症状が出ており、他の箇所、足の甲などは、日光に当たってましたが日焼け止めは塗らなかったためそこには症状が出ていません。

紫外線吸収剤が身体や生態系に与える影響

紫外線吸収剤は、皮膚にダメージを与えるだけではなく、実は「体内にも影響を与えるのでは?」と懸念されています。

Oxybenzone(オキシベンゾン)、Octocrylene(オクトクリレン)、Methoxycinnamate(メソキシディベンゾイルメタン)、Homosalate(ホモサレート)と言った紫外線吸収剤は、Hormone disruption(ホルモンを乱す作用)があると示唆されています。

主にエストロゲンの低下黄体ホルモンの乱れ男性ホルモンの生産の阻止などで、実験により報告されているそうです。(参照:ewg)

また、これらの紫外線吸収剤を使用した出産したばかりの女性の母乳を検査したところ、紫外線吸収剤の存在が認められたそうです。

怖すぎます。。。つまり、紫外線吸収剤は母親の体内に蓄積され、その成分が入ったものを赤ちゃんに飲ませているかもしれないということですよね?!

そして、アメリカのヴァージニア諸島では海の生態系に影響が出ている(なんと!さんご礁が白くなってきているそうです!)とのことで、紫外線吸収剤が入った日焼け止めの使用を条例で禁止しました。

参照:ewgnationofchange.org

紫外線散乱剤は安全?

では、紫外線吸収剤を避けて、塗り心地が悪く白くなってもいいから紫外線散乱剤と言われる酸化亜鉛二酸化チタン配合のものを選べば安全なのでは?と思われたかと思います。

確かに、紫外線吸収剤に比べれば紫外線散乱剤はホルモンを乱す作用は確認されていませんし、作用の仕組みからアレルギー反応も少ないようです。

そこで、何とかして安全で真っ白になりにくい紫外線散乱剤を使用した日焼け止めを開発しようとした人たちがおります。

仕組みとしては、酸化亜鉛や二酸化チタンの粒子は小さくなればなるほど白く残りにくく透明感が増すそうです。よって使い心地も良い、というわけです。そのため、開発者たちは、ナノレベルまで粒子を小さくしたのですが、その粒子はあまりにも小さいがために、今度は「肌から体内に浸透するのではないか?」という問題が提起され始めたのです。

研究の結果「ナノは安全」という見解も出ていますが、東京理科大学 研究推進機構総合研究院のマウス実験によると(梅沢雅和研究員のリポートの詳細はPDFでどうぞ)、胎児の脳に粒子が入り込み、細胞死や生殖機能低下を引き起こすことが報告されています。

そして何より、ナノ・ノンナノに関わらず厚生労働省は「酸化チタンのすべての粒子にヒトに対する発がん性が疑われるとし、酸化亜鉛も動物実験で発ガン性はなしとしつつも「肺毒性」「生殖毒性」で異常が認められたとしています。

(参照:厚生労働省・・上記のリンクはクリックするとPDFで詳細が見れます。)

まとめ~理想の日焼け止め

今回のことで自分の勉強不足を本当に後悔しています。いつも気をつけているのにちょっとした気の緩みや焦りから、身体に悪影響があるものに手を出してしまった・・・紫外線吸収剤は本当に怖いです。

さて、紫外線吸収剤はもちろん紫外線散乱剤もダメとなれば、今後の紫外線対策はどうすればよいのでしょう?

いろいろ調べたところ、なんと!ココナッツオイルがSPF40ほどの効果があり良い!ということで、今の皮膚の状態が改善したら早速試してみたいと思います。

それまでは、日光を避け運動不足にならないように真夏の夜のお散歩を楽しみ、ドラキュラのような生活をしたいと思います。トホホ・・・

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