ヒカキンが猫を飼い始めた!その猫の種類がBBCから批判!?
スコティッシュホールドという猫の種類はご存知ですよね!巷では愛情こめて「スコ」と呼ばれていたりもしますが、なんと、海の向こう側のイギリスの獣医協会は、「スコティッシュホールドの繁殖を止めるべきだ!」と先日発表しました。
そして、あの有名なYoutuberヒカキンさんが、2018年7月19日の動画で猫を飼い始めた!ということを報告されましたが、その猫の品種がその「スコティッシュホールド」ということで、日本の猫の保護団体や、なんとイギリスのBBCのニュースでもヒカキンさんの名前があげられてました!
では、なぜイギリスの獣医たちが「スコティッシュホールド」の繁殖がいけない!と言うのか?など、ここでは、「スコティッシュホールド」の抱える問題についてのお話です。
Photo by Arthur Ivanov
「スコティッシュホールド」はなぜ人気?
「スコティッシュホールド」は、文句なしに可愛いので、以前から可愛い品種として猫好きの間では既に人気者でしたが、海外のセレブ歌手、テイラー・スイフトやエド・シーランが飼いはじめてインスタグラムに載せ始めたころからまた急激に人気が増してきました。
そんな中、有名Youtuberのヒカキンさんが、「マル」を新しい家族として向かい入れビデオを投稿したところ、世界中のファンから「かわいい~!」という声があがると同時に、動物保護団体やイギリスの獣医協会などからは、「スコティッシュホールド」の抱えている健康問題には全く触れられずに、これでまた有名人の影響で、ただ「可愛い」という理由だけで飼いはじめる人が出てきてしまい、不幸な猫が増えるのではないか?と危惧しているのだそうです。
この後、健康問題に触れていきますが、まずはスコティッシュホールドの歴史から。
スコティッシュホールドの歴史
この品種は、もともと1960年代にスコットランド東部の州の納屋で見つけられた白い猫「スージー」の子孫とされています。スージーを見つけたのは猫好きの羊飼い、ウィリアム・ロスさんという方で、スージーの折れた可愛い耳にすぐ目をとめました。
ロスさんは、すぐに繁殖プログラムを組み始め、1966年には正式に新しい猫の品種としてイギリスで認可されました。
しかし、1970年代初め、猫品種登録団体GCCFは、折れた耳が原因の難聴や骨の欠陥を理由に認可を取りやめました。その後、イギリスではスコティッシュホールドの人気は下火となりましたが、今度はアメリカで人気が出始めました。
その経緯は、イギリスで認可が取りやめられた後にスージーの子孫とされるスコティッシュホールドが、アメリカのマサチューセッツ州のリサーチセンターに突然変異の研究のために送られたことによるものです。そして、リサーチが頓挫し、猫は普通の家庭の飼い猫となりました。
その後、この猫の子孫が、ペンシルバニア州のサレ・ウルフ・ピーターズさんのもとに流れ付くわけです。この方がアメリカでスコティッシュホールドを広めた方とされていて、それ以来アメリカでは繁殖が盛んになり、世界中にアメリカからスコティッシュホールドが輸出されています。
スコティッシュホールドの健康問題
イギリスの猫品種登録団体で問題視されたのは、スコティッシュホールドの「垂れ耳」です。
この「垂れ耳」は、詳しくは「遺伝性骨軟骨異形成」と呼ばれるもので、いわゆる軟骨の「奇形」であり、骨を支えられない影響で垂れ耳になっているということなのです。
また、この症状は耳だけに現れるものではなく、前足後ろ足、人間で言う指の関節部分など体のふしぶしに発症するというものです。
発症時期は、生まれて数ヶ月から発症したり、歳をとってから発症したりと様々ですが、一度発症すると、歩いたり座ったりと言った日常の普通の動作が困難になり関節に激痛を伴うようになると言われています。
飼い方
既にスコティッシュホールドを飼われていて、病気のことは全く知らなかった方は少なからず驚かれたことと思います。
しかし、日常生活の中で工夫をしたり、ケアをしてあげることで、痛みを緩和させたりも出来るそうです。すぐにでも出来そうなことを調べましたので、下記にあげておきます。
- 少しでも関節に負担をかけないように、完全に室内猫とする
- 猫がジャンプしそうな場所には踏み台のようなものを置く(ただし、関節に負担のかからない適度な運動は大事)
- 床がフローリングやコンクリートの場合は、絨毯やクッション性のあるものを弾く
- 太らせないように体重管理は徹底する
- かかりつけの獣医さんに一度ちゃんと診て頂き、定期健診は欠かさずに
- 常日頃から、猫の動きを観察し、(例えば、猫ジャラシなどに興味を示さなくなった・寝ていることが多くなった・手足をよく舐めるようになった・毛づくろいしなくなった等)早期発見に努める
その他に、関節痛を和らげるサポートとして、サプリやホメオパシーを試してみてもいいかと思います。
グルコサミン、コンドロイチンは関節痛に効果的、つまり関節に潤いを与え痛みを緩和できると獣医さんでも処方されたりしますし、人間の関節痛の治療で証明されてますので、取り入れていってもいいかと思います。
ホメオパシーのラストックスは、医学的には証明はされていませんが、関節痛に有効とされていて、私の先代犬Kylieが階段の上り下りが出来なくなった時に友人に薦められて試したところ、とても効果がありKylieは亡くなるまで、元気にずっと走り回っていました。
治療
遺伝性骨軟骨異形成は、完治はしませんので、症状を抑えることを目的に消炎鎮痛剤・NSAID(非ステロイド消炎鎮痛剤)が処方されます。このお薬は胃腸障害などの副作用もなく、痛みと炎症の軽減に効果的とされている新しいタイプのお薬です。
私の友達の犬は関節痛をわずらっていますが、鍼治療をしたところ、以前はびっこを引いていたのですが今は普通に走り回っていますので、試してみる価値はあるかもしれません。
症状が重い場合は、手術が検討されることもあります。
まとめ
ヒカキンさんの動画を見ていると、「マル」や2匹目の「もふこ」などをとっても優しくお風呂に入れていて、愛情をたっぷり注がれていますので、もしこの2匹が病気になっても献身的に看病し面倒するのは間違いないと思いますし、治療にかけるお金も十分持っていると思いますので、それ自体は皆さん心配してないと思います。
しかし、やはり「有名人の影響力」、つまり、人気が出る→安易にスコティッシュホールドを飼う人が多く出てくる→病気の症状が出て面倒見切れなくなる→猫を保護施設に持ってくる・または捨てる、という事態を保護団体の皆さんやイギリスの獣医協会は心配しているのかもしれませんね。
しかし、ヒカキンさんの名前をBBCニュースで聞いた時はびっくりしました~(^^;;