犬のアトピー性皮膚炎 薬アポキルの効果と副作用について

2018年8月14日

黒い犬が飛び跳ねている

愛犬がアトピーで体中掻きまくっている、痒がっているという様子を見るのは飼い主として本当に辛いものですよね。

こんにちは、ラン(@kikispets)です。
私の愛犬ルーシーも体をかきむしり眼が腫れてという症状が出て1歳でアトピー性皮膚炎と診断されました。それからは、アトピーやアレルギーに関するありとあらゆる情報収集に努め、ルーシーの痒みの緩和・皮膚の改善を目指して色々なことを試してきました。

先日、獣医さんにチェリーアイで行った時にアポキルを薦められました。副作用が怖かったのでずっとルーシーの治療法としては取り入れてこなかったのですが、今の時期、ルーシーのアトピーがひどくなりますので、アポキルとは何か?ステロイドとはどう違うのか?アポキルの長期的副作用はないのか?痒みの緩和につながるのか?について今日は徹底的に調べた内容をお話したいと思います。

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犬のアトピー性皮膚炎の為のお薬 アポキルとは

アポキルは、抗ヒスタミン剤やステロイドと同じでアレルギー性皮膚炎アトピーの症状を抑える免疫抑制剤です。

免疫は外部からの異物を排除する大事な役割を担った機能ですが、アレルギーを持っている犬はその免疫機能が通常なら何の問題もない花粉や食べ物、埃などに対して以上に反応してしまい、その時にアレルギー反応(痒み)が起こるわけです。

このアポキルは、過剰に反応している免疫を抑えることで痒みを取り除こうとするお薬です。なので、抗ヒスタミン剤やステロイドと同じくアレルギーの完治にはならず、投薬を止めると痒みは戻ってきます。

アポキルの副作用

アポキルの副作用としては、Zoetis社によると下痢、嘔吐などの消化器障害とのことです。

安全性をZoeis Japanのサイトで確認したかったのですが、そこの部分は獣医などしか見れないようになってました。一般の人でも見れるのが下記のQ&Aの部分だけと、Zoetis社による犬のかゆみの説明ページで簡単なアポキルの説明をしているページがあります。中盤にあるオクラシチニブというのがアポキルのことです。

Q8. 消化器系の有害事象(嘔吐など)はアポキル錠療法の継続と共に解消しますか?
それとも、アポキル錠の投与中止や用量調節が必要ですか?
A. 嘔吐や下痢などの消化器症状が、アポキル錠の副作用として報告頻度が高いものです。ほとんどの場合は、消化器症状発現後もアポキル錠の用量調整や投与中止を行うことなく、これらの症状は緩和、消失しました。
一方、一部の嘔吐の症例(たとえば長期臨床使用時の試験によると、30回中9回)では休薬あるいは対症療法を必要としたので、副作用の発現状況によってご判断ください。

引用:アポキル錠

農林水産省のページにアポキルの取扱説明書の全文が載っていました。こちらには詳しく国内と海外での副作用の種類とその割合が載っています。

犬の散歩をしてる人々

獣医が実際に1000匹にアポキルを投与した際にみられた副作用と感想

日本のサイトではあまり情報がなかったので、英語のサイトを検索してみたところ欧米で最初にアポキルが市場に出回り始めたからでしょう、たくさん情報が得られました。

アメリカの獣医さんでDr. Melissa Eisenschenk, DVM, DACVDという方がアポキルを実際に1000頭に投与しみられた副作用について記述されています。

一部割愛して訳してみましたのでご参考ください。英語原文を読まれたい方は引用のリンク先をクリックしてください。

アポキルは即効性があり、24時間以内にその効果が見られた。痒み止めの効果は、投与を止めると12~24時間以内に効果がなくなるので、大半の場合毎日の投薬が必要となる。他の薬でアポキルと同じ種類の薬としては、人間の薬では、リウマチ関節炎、乾癬、そして癌の薬である。

取扱説明書上のアポキルの副作用は:嘔吐・下痢・無気力・食欲不振・皮膚炎・白血球の減少・グロブリン減少・コレステロール値上昇・リパーゼ(脂肪分解酵素)値の上昇。少数の犬がニキビダニ症・腫瘍・肺炎・血を含む下痢・皮膚と耳の炎症・膀胱炎・組織球腫を発症とのこと。興味深いのは、小数の犬に水の多飲・食欲増進・凶暴化などステロイドと似たような症状が見られたということだ。

私の経験:1000匹の犬にアポキルを投与した私の経験では、アポキルを投与中の場合は副作用が殆ど見られない。一番、深刻な副作用は骨髄抑制(血球数が減少すること)であるが、私の患者では1%(10匹)の犬にその症状が見られた。目に見える副作用ではないが、血液検査により分かった。そのような理由から、アポキルの投与後、2,3ヶ月辺りで血液検査をするべきであると思う。

予期せず外耳炎の割合がステロイドの投与時に比べて多かったように感じた。
膀胱炎の症状もペットがアポキルを投与中の場合は良く見られた。しかし、アレルギーを持っている犬はこのような炎症をよく発症するので、はっきりと副作用と言うには懐疑的である。また、人間に対するJAK抑制剤の副作用と同じように体重増加が見られたが、プレドニゾンほどの割合ではない。

凶暴化した犬は見られなかったが、飼い主によると:犬が「飼い主を変な目で見る」・家中走り回っている・落ち着きがない、と言った報告があった。これらの症状は、アポキルの投与を止めると同時にすぐに治まった。  引用:Pet Dermatology Clinic

アポキルは獣医による定期的な血液検査が必要

上記の獣医さんのリポートから分かることは、アポキルの一番良いところは、殆どの犬で痒みが24時間以内に治まったという即効性でしょう。

また、副作用の1つ、血球数の減少が1%というのは、少ない数字かと思います。

注意しなければならないのは、白血球数の減少は表面的には見えない深刻な副作用だと思いますので、投与中はもちろん投与後も血液検査を定期的にしてモニターをしなければならない。という点でしょう。血液検査で異常が見られたらすぐにアポキルを中止する必要があります。

また、外耳炎と膀胱炎の症状がアポキル投与中にみられ、アポキル投与を中止すると症状が治まったというのは興味深いです。

しかし、犬が「飼い主を変な目で見る」、家中走り回っている、というのもなんだか怖い副作用ですね。。。

愛犬ルーシーが芝生で遊ぶ

アポキルの長期的な副作用

アトピーを患う犬の飼い主さんならお分かりかと思いますが、犬のアレルギーは減感療法などが成功しない限り完治はしません。

(減感療法については、犬のアトピー性皮膚炎の一般的治療法 その効果と副作用についてをどうぞ。)

アポキルは、症状を抑えるお薬ですので、投薬を止めれば痒みが再発します。ので、もし、アポキルが効いたとしてもアポキルを長期的に投与できるのか?という点が一番大事で不安を抱かれるかと思います。

現在のところアポキルの臨床試験は最大で672日です。ので、5年10年単位での副作用は全く分かりません。(下記の引用をご参考ください)取り扱い説明書に書いてあります。

3.長期投与[3]
実施された臨床試験供試症例のうち、本剤投与によるベネフィットがあったと判断された症例に対し、動物愛護の観点から、本剤が市販されるまで1日1回本剤投与を継続する長期投与臨床試験を米国で実施した。参加した247例の平均年齢は6.8歳、投与期間の平均は401日(15~672日)、中央値は356日であった。投与期間中に認められた有害事象のうち、5%を超える犬で認められた事象は、尿路感染症・膀胱炎(11.3%)、嘔吐(10.1%)、耳炎(9.3%)、膿皮症(9.3%)及び下痢(6.1%)であった。

引用:アポキルの取扱説明書

しかし、Zoetis社の犬のかゆみ.comでは、

ワンちゃんのために開発された新しい治療剤経口ステロイド剤と同じくらいの即効性があります。また安全性が高く、長期間投与することが可能。最も新しいタイプのお薬で、「ヤヌスキナーゼ阻害剤」というカテゴリーに属します。新薬ですが米国や欧州では数年前から使われており、「犬アトピー性皮膚炎の治療ガイドライン」の中でも、高く推奨されているお薬です。嘔吐や下痢の副作用を起こすことがありますが、その多くは管理可能な範囲です。

ということです。↑上の「長期間投与が可能」の長期がどのくらいを指しているかが疑問です。
また、このサイトでは、アポキルとは説明しておらず、薬の種類オクラシチニブとして説明してます。

そのようなことから、私は、アポキルは短期的な使用に向いているかと思います。(しかし、止めればまた痒くなります・・・)

まとめ

実際の現場でのアポキルの副作用の情報はとても貴重だと思いますので、このDr. Melissa Eisenschenk, DVM, DACVD獣医のリポートはとても興味深かったです。

この獣医さんは、最後に「アポキルはとても良いと思う。」と言ってますが、副作用については白血球数の減少などに気をつけるべきで定期的な血液検査が必要だと最後に更に念を押されています。

痒みというのは、犬にとってはもちろん辛いでしょうし、飼い主も見ていて本当に辛いものですが、免疫を抑制するということは、生きていくための一番大事な機能を犠牲にするようにしか私は思えないのです。(もちろん、命に関わる病気の場合は例外だと思います)しかし、アトピーで犬が死ぬことはありませんが、免疫を抑制すれば癌などの病気にかかる可能性もあります。
それを考慮して、私はルーシーの治療法としてアポキルは却下しました。

そんな中、ネットでルーシーと同じ症状の犬がインターフェロン治療(ニュージーランドではCytopointと言います)をしたところ、副作用もなく痒みが治まった!という記事を読み、早速いろいろ調べて獣医さんに先日行ってきましたので、次回はこのインターフェロン治療法について 犬のアトピーにインターフェロン注射したら劇的改善! その効果・費用そして副作用について でお話させて頂いてます。

関連記事 犬のアトピー性皮膚炎の一般的治療法 その効果と副作用について

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